U-FORUM MUSEUM
宇フォーラム美術館
スケジュール
展覧会情報
概要
平松 輝子
二紀 和太留
坂田 一男
ご連絡先・交通案内
美術館概要
Japanese English
宇フォーラム美術館の旧称は宇フォーラムクンストフェアライン21美術館である。この旧称は宇(宇宙)、フォーラム(場)、クンスト(kunst芸術)フェアライン(verein連帯・協会)の4つの意味をもつ。(ちなみに改称したのは長すぎるため簡略化したからである。)
当館は1987年に組織され、1999年に新館がつくられて新たに美術館となった。設立者の平松輝子と二紀(ふき)和太留は、世界の近代美術の創始者の一人であるレジェの助手である坂田一男に師事し、近代美術の意味を学んだ。
坂田一男は単なる西洋絵画の紹介者ではなく日本の抽象絵画のパイオニアであり、パリで1925年にピカソらと国際的展覧会「今日の芸術展*」に出品するなどして活躍した国際的画家である。(*ピカソ、レジェ、モンドリアン、ミロ、ドローネー、エルンスト、ブランクーシ、アルプらが参加)
坂田のいう前衛とはまさに当時の自由を体現する反権威、反商業主義、反アカデミズムであり、それは日本の伝統美術界とは全く異なる自由で創造的な世界だった。
坂田はパリ時代にはキュビズムだったが帰国後はピュリズムに傾倒し、より抽象化された絵画を目指した。坂田一男は常に新しいものを生み出そうとして、地元岡山ではAGO(アバンギャルド岡山)を主宰しさらに活動を国際的にしようと考えていた。しかし1956年に志し半ばに病死してしまうがその前に、自分の前衛活動を引き継ぐように平松輝子に言い残す。
この美術館は平松と二紀の師であり日本の近代・現代美術の先駆者である坂田一男の前衛精神の遺志を引き継ぐべく活動をしている。
坂田の死後、平松輝子は1966年にニューヨークの画廊で個展を行ったが、展示作品を制作したアトリエは現代美術の主役であるデ・クーニングのかつてのアトリエであった。当時最新のアクリル絵の具によるカラフルな展覧会はニューヨークタイムスなど四紙に載り東洋的感性を持つ現代美術として絶賛され、アメリカ数か所で展覧会を行った。
次に1970年代にはドイツに10年間滞在し、墨による作品で30回以上の展覧会を開く。ドイツの展覧会ではマークトビーと同列に扱われた好評を博した。ドイツでの滞在先クレフェルドはコンセプチュアルアートの創始者ヨゼフ・ボイスの生まれた都市でありボイスとも出会ったことがこの美術館の構想につながった。
ドイツには現代美術を啓蒙する組織がある。それがドイツの各都市(152箇所)にある半官半民のクンストフェアラインであるが、クンストフェアラインは地域の市民、研究者、芸術家により運営され、市民はこうした組織を通じて芸術家を支援し、かつ市民も現代芸術作品を日常生活に取り入れていた。日常生活でアートを楽しむライフスタイルは今日本に欠けているものであり、日本にもアートを楽しむ機会を提供したいと考えた。多くのクンストフェアラインで展覧会をした平松は帰国後、日本に画家さらに市民が連帯する場を目指して同様の組織を作ろうと考えた。
そもそも20世紀の初頭にヨーロッパにおいて近代美術が生まれたが、それはパリの市民革命、産業革命などを背景として生まれた民主主義による芸術の市民化の動きと一体であった。当時ジョン・ラスキンやウイリアム・モリスにより芸術の生活化が提唱され、実際にそれは実現していく。
当時のキュビズム、抽象絵画は1950年代のアメリカの現代美術につながり21世紀を迎える。20世紀の絵画は民主主義、個人の尊重をベースとした権利意識や価値に主眼を置くものであったが21世紀の絵画はそれを超えるものとなると思われる。
さらに日本にはかつて、禅、無我、悟りという文化が存在し、色即是空などの見えない意識、抽象的なものを理解したり、さらには個人意識を超える宇宙意識を持っていた。当館の名前に宇宙、21世紀しという言葉があるのは、これからの美術が20世紀の個人を超えた宇宙意識や精神世界をテーマとすべきとするからである。
もう一人の設立者である二紀和太留は、第二次世界大戦に海軍として参加し、レイテ海戦などの悲惨な体験を経て帰国した後、AGOに参加する。レジェの教室でキュビズムを体得した坂田一男の画法を忠実に継承し、アメリカ、ドイツなどで展覧会を数多くした。同時に、絵のテーマは当初の戦争の悲惨さを描いた暗い抽象画から晩年の平和を祈る明るい抽象画に変わり、平和を祈念する場としての美術館を構想していた。
以上の様々の想いの下でこの美術館は生まれた。
美術啓蒙活動の一環として上記以外のドイツを中心とした現代美術作家の約200点のコレクションを行い、常設展を行うほか、クンストフェアラインと同様の会員制をとり、市民のサポートにより発表の機会に恵まれない才能のある作家、新しいものを生み出そうという試みにたいして審査の上、無料で会場を提供したいと考えている。
さらに各地域にクンストフェアラインができることを期待したい。
所蔵作品
前述3者の作品の他、H・Hartung、R・Motherwell、J・Bouys、E・Munch、 Man・Ray、A・Tapies、H・Jansen、H・Chillida、L・Fainiger、G・Graubner、J・Itten、D・Oppenheim、など約100人、200点。
展覧会実績
ドイツ文化センター、スペイン大使館、スウェーデン大使館後援、知的障害者絵画展(ジョイフルアート展)その他インスタレーション、写真展、彫刻展など。その他定期会報誌発行。ホームページにてインターネットミュージアム(サイバーミュージアム)にて過去の展覧会をパノラマ映像で再現。閲覧可能(www.u-forum.jp)
運営

ドイツのクンストフェアラインを見習い、美術の研究活動、展示活動を行う。
会員は申し込みの上、年会費を払う。会員及び会員家族の入館料は無料とする。
年会費は4000円とし、年に6回会報を発行する。
会員作品発表の場を持つ。

一般の入館者は別途入館料を支払う。
・入館料は一般500円。会員・身障者は無料。高齢者65歳以上・学生(高校生以下)は200円。
皆様の会員参加をぜひお願いします。申し込みはメールにて受け付けます。